2008年08月27日

東山魁夷展

長野県立美術館にある東山魁夷館では、東山魁夷生誕百年を記念して特別展が催されました。

最近は吉永小百合さんのテレビのコマーシャルで白馬と湖の絵が紹介されて、その画風からも親しみ易いと思います。昭和を代表する日本画家です。



私としては大嘗祭の大饗で披露される悠紀地方の風俗歌屏風を製作されたことが印象深いです。



天皇の一世一代の祭りである大嘗祭で、悠基の国・主基の国は、鹿の骨を焼く忌卜で点定されます。今回は悠基田は秋田県、主基田は大分県でした。

悠基国の風俗舞・主基国の風俗舞は宮内庁楽部の方が作舞されたと聞いています。



東山魁夷は東宮御所の壁画も描かれていますし、宮内庁所蔵の絵画も今回公開されます。否が応でも期待が高まります。



特別展の目玉は鑑真和上の唐招提寺御影堂の屏風絵です。





美学校時代、ドイツ留学、戦後直後の不遇。その中で代表作『残照』が出てきます。日本画家としての立場をを不動のものとする『道』などに圧倒されます。



第6展示場まであるのですが、実は第2展示場でグロッキー気味。信州とドイツをイメージした喫茶店まで展示場と化していました。

ここでは幼稚園の頃から注文は抹茶アイスに決めています。

元気を出して第5展示場。

ありました!唐招提寺の障壁画。



御影堂のセットが組んであります。

高麗縁の大紋の京畳が敷かれ、そこに御影堂の間が作られており、表側に鑑真和上の故郷『揚州薫風』が、内側には波を越えてたどり着いた、青々とした日本の海岸の『濤声』が・・・・・・。



鑑真和上は天平時代、遣唐使の時代に、日本の僧の要請により来日を試みるが6回目にしてやっと渡来に成功した、それまで10年が過ぎて失明しても日本にこられた、と歴史漫画でもよく読んできたものです。東山魁夷もこの絵画に10年を費やしたといいます。



この天平時代は遣唐使の吉備真備が唐より雅楽の学理書を持ってきたり、多くの唐楽が伝えられ、婆羅門僧正・仏哲が林邑楽を伝えた時代です。東大寺の開眼法要にはさまざまな雅楽・伎楽が華やかにされたそうで、その時の楽器・道具が正倉院にあるといいます。

鑑真和上は東大寺では孝謙天皇の勅により、聖武上皇を始め、多くの戒壇を授けられたそうです。



雅楽が花開いた一つの時代に心を寄せる展示会でした。


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Posted by naganogaga  at 23:53 │Comments(0)趣味

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長野市で雅楽と巫女舞のお稽古をしています。雅楽は笙・篳篥・龍笛などの笛の管楽器と、楽筝・楽琵琶の絃楽器、太鼓・鉦鼓・鞨鼓の打楽器を使います。舞は浦安舞などの神前神楽、豊栄舞などの祭祀舞、浪速神楽を舞い姫さんとお稽古しています。舞楽は蘭陵王をしています。